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医食同源

yaku_isyokudougen.jpg●医食同源~冷えに効く食べ物~

「医食同源」「薬膳」一度は耳にされたことがある言葉かと思います。
「食べ物は薬である」という考え方です。

みなさんは漢方薬を飲んだことはありますか?
カゼの引き始めに効果的な「葛根湯」や、某メーカー漢方胃腸薬の構成処方である「安中散」などが有名ですね。

例えば、この「葛根湯」は薬の名前には違いありませんが、いわゆる西洋薬の名前とは多少意味合いが違います。

解熱鎮痛薬として有名な「アスピリン」は「アセチルサリチル酸」という一般名(化学物質名)を持つ、単一の「モノ」です。
それに対して漢方薬は、数種の生薬を配合してそれを煮出した汁、すなわち「スープ」です。このスープにそれぞれ名前が付いています。そこから水分を飛ばして乾燥させ、顆粒、粉末、錠剤の形にしたものが、一般的に薬局等で目にされるであろう漢方薬なのです。

葛根(カッコン)、大棗(タイソウ)、麻黄(マオウ)、甘草(カンゾウ)、桂皮(ケイヒ)、芍薬(シャクヤク)、生姜(ショウキョウ)
これら7つの生薬を一緒に煎じて、出来上がったスープを「葛根湯」という名前で呼んでいます。

人参、大根、ネギ、ごぼう、こんにゃく、豚肉などを煮込んで、味噌で味付けする。出来上がったものは「豚汁」と呼ばれます。

漢方薬と料理、なんだか似ているとは思いませんか?

人間は長い歴史の中で、色々なものを食べてきました。そして積み重ねられた経験により、体に対して変化を及ぼす作用の大きい物を「薬」、味が良くて食べやすく、作用の緩徐なものを「食べ物」、というようにとらえるようになりました。このように、薬と食べ物は本質的に区別のないものです。
現代の日本においては、このような認識はなじみが薄いと思います。しかし、ごく身近な食材が漢方薬の構成生薬として使われていたりするのです。たとえばショウガ、ヤマイモ、シソの葉、みかんの皮、ヨモギ、サンショウなど。米や小麦を使った処方もあります。
上記の食材を順に生薬の名前に変換すると、生姜(ショウキョウ)、山薬(サンヤク)、蘇葉(ソヨウ)、陳皮(チンピ)、艾葉(ガイヨウ)、山椒(サンショウ)、粳米(コウベイ)、小麦(ショウバク)といった呼び名になります。カタカナだけですと難しそうに聞こえますが、漢字とセットで見るとなんとなくイメージできるものが多いですね。

さて、生薬の持つ性質は、「五つの味」により分類することができます。
「甘」「辛」「苦」「酸」「鹹(塩味)」の五味です。

甘:体の元気の素(漢方的概念で気・血・水と言ったりします)を補う。
辛:ピリ辛味。気や水を汗とともに発散させ、気血を巡らせる。温める性質のものが多い。
苦:余分なモノを排出する(瀉す)。気を降ろす。冷やす性質のものが多い。
酸:発散しすぎる水分や気を体内に引き込む作用。
鹹:硬いものをやわらかくする。潤す作用。

注:五味に関しては、実際の味覚と同じであることも多いですが、そうでないこともあります。その生薬のもつ性質から、味を分類しているからです。

生薬の性質を決定付ける重要な要素がもうひとつあります。体を「温める」のか「冷やす」のか「どちらでもない」のか、いずれに該当するのかということです。
温める力が強い順に「熱性-温性-平性-涼性-寒性」といった表現をします。

そして、これらの性質は生薬に限った話ではありません。
私たちがふだん口にする、食卓に並ぶ食材ひとつひとつが、これらの性質を持ち合わせているのです。

漢方の考え方というのは、実はいたってシンプルなのです。足りなければ補い、余っていれば外に出す。冷えれば温め、熱があれば冷ます。滞っていれば巡らせる。
何よりも「バランス」「中庸」を重んじます。
たとえば、疲れているからと、補う性質である「甘味」のものばかり摂り過ぎると、それは体内で滞り、毒となります。水が滞った場合、それは水毒(小山先生のコラム参照)となる、ということです。
「辛味」のものを摂り過ぎると、気が巡り体が温まり、一時的には元気になり気分も良くなりますが、エネルギーを発散しすぎて、最後には疲れてしまいます。
このように、何においても偏りすぎはよくありません。「バランス」が大事です。

今回は体を「温めるもの」と「冷やすもの」に注目して、それぞれの食材がどのような性質を持っているのかを見ていきましょう。

食材がどのような性質を持つかというのは、実に細かく分かれています。今回、全てを網羅することはできませんが、おおまかな傾向がこのようなものであると御理解いただければ幸いです。

【概要】
「冷やすもの」であっても、調理により火を通すことでそれを緩和し、「温めるもの」へ移行させることができる。
やはり旬のものを食べることが大切であり、夏野菜は「冷やすもの」が多い。
その食材が生育した地域の気候が寒冷だと「温めるもの」、温暖だと「冷やすもの」。
「温めるもの」は補う性質。「冷やすもの」は瀉す性質。
消化の良いものは「温めるもの」、消化の悪いものは「冷やすもの」。
香りの強いものは「温めるもの」。

以上はあくまで傾向で、例外も多数存在します。おおまかな目安として覚えておくと良いかと思います。

【野菜】
体を「冷やすもの」が多い。
とうがん、きゅうり、にがうりなど瓜類、こんぶ、のり、ひじきなど海藻類、ごぼう、たけのこなど粗い繊維質の多いもの、またナスなどは冷やす働きが特に強い。
「秋ナスは嫁に食わすな」、これは意地悪ではなく、嫁の体を案じたことわざだと言えます。
芋類は、ほぼ「平性」。
「温めるもの」は、ネギ、タマネギ、ニラ、パセリなど香りが強い野菜。また、ニンジン、アスパラガス、カボチャなどが挙げられます。
以上のように、平~寒性のものが多勢を占める野菜類ですので、火を通さない食べ方、すなわち生野菜サラダ、野菜ジュースを摂りすぎるのは、冷え性の方にはあまりオススメではありません。
しかし、ビタミン・ミネラル豊富で低カロリーな健康食品である野菜は、調理法を工夫して、上手にたくさん摂りたいところです。

【果物】
野菜同様、体を「冷やすもの」が多い。
しかも、野菜と違って火を通すような食べ方をすることはほとんど無く、これでは寒涼性を緩和することができません。また、体を潤す作用のあるものが多く、乾燥して肌がカサカサするような方には良いですが、冷え性でむくみのあるような方は、控えめに。
ドライフルーツに関してはその限りではありません。しかし高カロリー食品ですので、食べ過ぎには気を付けて下さい。
「温めるもの」は、さくらんぼ、桃、ざくろなど。果物と言えるのか判断に迷いますが、クリ、クルミなども体を温めます。

【魚介類】
「平~温性」のものが多い。
「冷やすもの」はアサリ、ハマグリ、シジミ、タコ、ハモ、カニなど。
特にカニの寒性は加熱しても温性に移行することはありません。冬の味覚というイメージがあるだけに、これは意外です。冷え性の方は食べ過ぎに気を付けてください。鍋料理にすることにより、たくさんの食材と一緒に食べることで調和が取れているのでしょう。
同じ甲殻類であるエビが温性であるのと比較して、すいぶんと違うものです。分類のパターン化の難しさを感じます。

【肉類】
「平~温性」。
基本的に肉は体を温めます。特に羊の肉は温める作用がとても強く、逆に豚は肉類のなかでは比較的涼性です。北海道でジンギスカン料理、沖縄で豚肉料理が好まれ、たくさん食べられているのは、この点も理由のひとつであると思われます。

【穀類】
米にはうるち米、もち米のふたつがあります。
うるち米、すなわち玄米や白米は「平性」。対してもち米は「温性」。
冷やしも温めもしないうるち米は、万人に適した主食であると言えます。
小麦、そしてその加工品であるパン、うどんは「温性」。
ソバは「涼性」。
冷え性の方にはソバよりうどんの方が体に合っていると言えます。
夏の暑い時にざるそば、というのも理にかなっています。

【香辛料】
唐辛子、コショウ、サンショウ、わさび、ショウガ、にんにく、シナモンなど。
いずれも「辛味」そして「温める」性質を持ち、漢方薬にも使われるほど、キレのある作用を持ち、少量で十分効果を発揮します。
「五つの味」の項で述べた通り、体を温め元気にして気分を良くする作用がありますが、摂り過ぎには注意して下さい。しかし、うまく使えば非常に効果的です。
刺身にわさび、寿司にショウガ、という取り合わせは、殺菌作用とともに、生魚を食べることによる胃腸の冷えの緩和にも一役買っていることでしょう。

【飲料】
意外にも緑茶が「寒性」で、温かいものであろうとそれは変わりません。なので、冷え性の方にはあまりオススメではありません。
「温性」である紅茶、コーヒー、ココアの方が体質に合っていると言えます。
お酒に関しては、基本的には「辛味」「温熱性」です。これはアルコールの持つ性質によるところです。
しかし例外がひとつ。ビールです。味は「苦」、そして「涼性」です。これは、ホップの持つ力と言えるでしょう。そのアルコール含量の少なさゆえ、ウイスキーや焼酎など蒸留酒、日本酒やワインなど醸造酒と比べると健康的と言えなくも無いビールですが、涼性でしかも熱燗のように温めて飲むわけにもいきません。冷えが気になる方は他のお酒を選択したほうが良いでしょう。

以上、寒熱性の観点から食材を列挙しました。

今回は冷え性の方に傾いた観点からの記述なので「温めるもの=体に良いもの」という認識を持たれた方がいらっしゃるかもしれません。しかし、決してそういうわけではありません。
体に熱が有り余ってる方、いわゆるメタボな体質の方などは、熱だけではなく色々なものが過剰にある状態なので、涼性で瀉す方向性の食材を中心に選んだ方が、うまくいくかと思います。

何事も偏りはいけません。ご自身の体質、体調、また季節に応じて、バランス良く上手に食材を選んでいくことが大切です。
今回のような観点から「食」を見ていくと、付け合せや食べ合わせ、旬の食材、地域の名物料理、また食に関することわざなどそれぞれに意味があるのだなと、先人の知恵には本当に感心させられます。
「食べる」ということには、とても大きな意味があります。
家族や大切な人と一緒に食卓を囲み、「楽しい」「美味しい」と思うことにより、心も体も一層満たされます。食事の中身だけはなく、その時間も大切にしたいものです。

薬剤師
青木正彰
略歴
平成15年3月 帝京大学薬学部卒業
医薬品卸会社勤務、病院薬剤部勤務を経て
平成17年6月 若松調剤薬局入社